凝灰岩の魚化石(信濃中部地質誌 114頁より) |
写真は、本間不二男『信濃中部地質誌』(昭和6 1931) 第五十二図 魚の化石(身長約十八糎)(内村層上部凝灰岩)(小県郡塩尻村下塩尻採石場) です。
以下の記事にもありました。
本間不二男「信濃中部第三紀層の分類(二)」(昭和3 1928)
http://hdl.handle.net/2433/183437
母岩は凝灰岩(御坂凝灰岩)としているので、少なくとも別所層の黒色や茶色灰色の泥岩とは異なる石なのでしょう。「魚類の化石であるが鑑定に堪えるものではない」(第二篇 114頁)と書かれていますが、姿はハダカイワシに似ているかも。トンガリハダカ属 Nannobrachium とか。
この標本は今もどこかで保管されているのかもしれませんが、見つけられませんでした。本に掲載されるような標本でも、気にかけられることがほとんどないのはちょっと残念…
上田市立博物館の地学標本の常設展示が別館に移転したそうです。広くなって鉱物も増えたとのこと。今後も展示の目的に必要な内容を増やして行って頂ければありがたいです。
(「希少」「美しい」等の言葉だけ聞くと、コレクターやハンターを育てるのが目的?と思ってしまいます… 希少性は、価値があると同時に、楽しみを台無しにする要因にもなります。)
上田市立博物館に「上田地域の岩石・鉱物・化石」を展示した「常設展示室」を設置!
https://shinshu.fm/MHz/22.56/archives/0000594915.html
上田市立博物館 収蔵品紹介 自然
https://museum.umic.jp/hakubutsukan/collection
宮下コレクションは鉱石標本1305点、岩石267点、化石73点で、1645点すべてが鉱物標本というのは誤解。これまで展示されてきた化石もあります。(魚化石やメタセコイア等)
ヘミオナス馬 Equus hemionus を「ヘミオナス」に短縮することはあるのでしょうか?(例えば ナウマンゾウ Palaeoloxodon naumanni や ナウマンヤマモモ Comptonia naumanni を「ナウマン」「ナウマニイ」と呼ぶことは無いかと)
「ソコダラ科魚類の化石」は昭和33年に採集、昭和61年にソコダラ科と鑑定され「完全な形(全身の意味か?)で見つかったソコダラ科化石としては日本で初めて」と言われました。ソコダラ科化石は希産ではなく、鱗の化石はそれ以前から研究されていました。具体的な種類は未解明かもしれません。魚化石の研究者は少ないようで、多産するニシン科やハダカイワシ科でも、詳しい種類の話はわずかです。
2016年に国立科学博物館所蔵の坂城町産の魚化石が初めてニシン属として同定されたという話がありました。もしかしてニシンの化石はまだこれ1つだけでしょうか?
日本古生物学会 第165回例会予稿集(2016) 43頁
籔本美孝「長野県埴科郡坂城町産中新世ニシン科魚類について」
http://www.palaeo-soc-japan.jp/meetings.html
日本古生物学会 化石 vol. 105 (2019.3.31)
特集:魚類化石研究の現状と可能性(1)
籔本美孝「日本の中生代・新生代硬骨魚類化石――日本の博物館所蔵の主な魚類化石と研究の可能性について」
http://www.palaeo-soc-japan.jp/publications/fossil/vol-105/
Eosardinella hishinaiensis は無く、もしかして否定的?
魚類学雑誌 13巻4-6号(1966)
Jiro SATO「A New Genus and Species of Sardine from the Miocene Hishinai Formation, Northeastern Japan」
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jji/13/4-6/_contents/-char/ja
https://doi.org/10.11369/jji1950.13.112
10cmほどの稚魚の場合は成魚より頭部の比率が大きくなり、また、化石は押し潰されて生体より大きく見えることもあるかも。
岩手県宮古湾に生息するニシンの生態を探る
https://www.spf.org/opri/newsletter/248_1.html
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