2020年9月3日木曜日

アマビエとフェイクニュース

蘇民将来(『児童百科大辞典 22』(昭和11))
蘇民将来(『児童百科大辞典 22』(昭和11) 370頁より)

次回の ちいきたんけん ナゾときチャン!! はアマビエ(の流行?)がテーマとのこと。
江戸時代の予言獣の瓦版については、不安をあおって出版物を売るという、今ならフェイクニュースとか、マッチポンプ、悪徳商法とか言われるようなものという話もあります。いろいろな予言獣の中で、アマビエは瓦版1枚が残るだけのようで、あまり流行はしなかったのかも。弘化3年(1846)というと、天保の飢饉(1833~1839)、天保の改革(1841~1843)が過ぎて、庶民には少し解放感(喪失感?)があった頃でしょうか。弘化4年が善光寺地震。

疫病関係の俗信も、雨乞いと同じで、失敗を繰り返して多様化してきたはずですが、(局所的な)気象とは異なり、疫病は人間からも影響を受けるので、何かしら医療を助ける効果があったりなかったりした可能性も。

地元の疫病関係の習俗についても紹介して頂ければ嬉しいです。
疫病除けでポピュラーなのは蘇民将来符、茅の輪くぐりでしょうか。他には、疱瘡神送り、疱瘡神社(疱瘡社)、道祖神、疫病絵、疱瘡見舞帳、など。
疱瘡絵の流行は年代・地域によるのか、見舞帳等を探してみたのですが、ほとんど見つけられませんでした。(見舞い品は菓子が一般的だったようで、菓子袋ももしあるなら見てみたいです。)
あちこちで見かける「赤地蔵」も疱瘡神(ほうそうがみ)と関連するのでしょうか。
種痘に関係する石碑等も、こういう機会に話題にしてみても良いのではないかと。

八日堂蘇民将来符、牛頭天王之祭文(蘇民将来符の由来)
https://museum.umic.jp/somin/
https://museum.umic.jp/somin/category_top/g_naiyou.html
https://museum.umic.jp/somin/category_top/g_kaisetsu.html

『児童百科大辞典 22 (美術教育篇)』(昭和11 1936) 44 蘇民将来
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1720362/206
六角形塔婆に似たる形にして最小なるものを幼児の腰又は背に吊して置けば災厄を避け得るといふ。

はしか絵、疱瘡絵(ほうそうえ)、コレラ絵
http://www.eisai.co.jp/museum/history/0700/sub0100.html

川部裕幸「疱瘡絵の文献的研究」(2000)
http://doi.org/10.15055/00000715

疱瘡神の赤い色は病人の肌の色とも関係していて(赤は軽症、紫は重症)、お見舞いで紫は禁忌だったとのこと。疱瘡神は赤を好むという話と赤を嫌うという話が並列しているのも興味深いです。歴劫不思議…

牛頭天王之祭文は、災厄をもたらすものが同時に守護するものでもある、という、マッチポンプな祟り神信仰の一つ。子供時代の大人・年長者による しつけ・虐待と保護にも重なる感じ。

ちいきたんけん ナゾときチャン!!
http://www.ucv.co.jp/program/nazo.html
鷲岩と雨乞い多様性
https://kengaku2.blogspot.com/2020/08/blog-post_19.html
龍王山、レイライン
https://kengaku2.blogspot.com/2020/06/blog-post_20.html


ニュースと言えば、新聞週間標語の記事は、燃料の類か?と思ってしまいましたが、新聞を政府、内閣、議員、省庁等、いろいろ権力・権威のあるものに置き換えて読んでみるのもよいかも…

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