2023年4月22日土曜日

木の葉石

三葉マツの化石
三葉マツの化石(約18cm)
『坂城町胡桃沢化石群の調査報告』(1979)より

貝原益軒(1630~1714)『大和本草 巻之三』(宝永6 1709)に「木ノ葉石」があり、産地の中に「信濃善光寺ノ近所榊ト云處」がありますが、「榊」は坂城のことでしょうか。
「硯ニスヘシ」ともあって、化石を含む粘板岩や硬い泥岩をイメージしていたようです。
「木ノ葉石」の前にある「花紋石」には「其形状各其物ノ形體備レリ 魚ナト只其形似タルノミニ非ス 頭目鬐鱗尾ノ形皆眞ト相同シ」(鬐:魚の背びれ、馬のたてがみ など)とあるので、植物化石だけでなく、産地はわかりませんが、魚化石も見ていたようです。

貝原益軒は筑前の人で、貞享2年(1687)に中山道を歩き、後に『木曽路之記』(宝永6年1月自序 1709)を書いているので、どこかで誰かの標本を見たのか、それとも何かの書物からの引用か、と思って探してみたのですが、今のところ見つからず…

貝原益軒『大和本草 巻之三』(宝永6 1709)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2557465/1/20
木ノ葉石 其石ノスヂメ木葉ノ如シ 會津羽黒山ノ北ノ麓 筑紫宗像大宮司宅ノアト 信濃善光寺ノ近所榊ト云處ニ何レモ木ノ葉石アリ 其外諸州ニアリ ワリテ中ニモ同紋アリ 硯ニスヘシ 是花紋石ノ類ナルヘシ

貝原益軒『木曽路之記』(正徳3 1713)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2536871


地質見学には良い季節ですが、産地情報になるので発信は控えめにしています。(マナーの悪い人へのガイドにもなることを自覚して… あまり人を恐れないクマの出没も増えてきているようで、これまで以上の警戒も必要かも)
同様に、受け入れ態勢のない観光コース(候補?)も、少し人が増えるだけでも、トラブルや不快感に繋がったりするので、慎重に… (私有地の撮影・紹介等は、一度許可を取っても結局トラブルになることも… 合意不足、投棄、侵入、毀損、盗難等)

第三紀層地すべりの記事
https://kengaku2.blogspot.com/2023/04/blog-post.html
大行満 願海 生誕200年 没後150年
https://kengaku2.blogspot.com/2023/04/200-150.html
別所温泉駅 夫婦道祖神
https://kengaku2.blogspot.com/2023/03/blog-post.html
武石の石造文化財マップ(ブセキ など)
https://kengaku2.blogspot.com/2023/02/blog-post.html


2023年4月13日木曜日

第三紀層地すべりの記事

別所愛宕山で地すべり(広報うえだ 昭和50年7月16日)
地すべりの記事(広報うえだ 昭和50年7月16日)

昭和50年(1975)の広報うえだにあった地すべりの記事です。
別所層、青木層、小川層 等、地表近くの泥岩は水にはだんだん砕けて溶けて行きそう…
山沿いはどこでも「崖はいつか必ず崩れる」という言葉を忘れてはいけないのでしょう。

『広報うえだ 昭和50年7月16日』より
別所愛宕山で地すべり 人家に被害なし 「対策本部」設置、応急措置行う
 七月三日、降り続いた長雨のため地盤が軟弱化した県道別所鹿教湯線の別所愛宕山地籍(北向観音裏)で、幅六十メートル、長さ三十メートルにわたり地すべりが発生。
 現場に駆けつけた市長が直ちに「別所愛宕山地すべり現地対策本部」を設置しました。
 地すべり地籍の北側にある旅館一軒、県道をはさんで向い側にある農家、みやげ店など三軒の客や家族の避難、家財道具の運び出しを行う一方、建設事務所が地すべり警報装置を取り付けるとともに、地元消防団、上田消防署および、地元自治会、森林組合などが、愛宕山にある愛宕池の減水、現場の立木伐採、土のう積みなど応急措置を行いながら、三、四日にわたり警戒監視体制をとり、市役所本庁にも「対策本部」を設置しました。
 地すべりを最少限度に抑えるため、三日午後から、地すべり地籍の土砂を上から約十五メートル、約五千立方メートルを削り取る作業を行いました。
 この措置により、人家に対する災害は回避できました。削り取った土砂の取り除き作業を六日から行っていますが、土砂の量が多いため約十日間位かかる予定です。
 また、市長も応急措置の陣頭指揮を取りながら、避難した四軒を見舞い、突然の災害におどろいている家族の皆さんを励ましました。

上田市災害ハザードマップ ※ホームページに誤りがあるので「まとめてダウンロード」でも確認を。(「建物被害マップ」の一部が「洪水・土砂災害マップ」)
https://www.city.ueda.nagano.jp/soshiki/kiki/1434.html
上田地域(地すべり)(※「区域の名称」が一部変?)
https://www.city.ueda.nagano.jp/soshiki/kiki/2504.html


大行満 願海 生誕200年 没後150年
https://kengaku2.blogspot.com/2023/04/200-150.html
別所温泉駅 夫婦道祖神
https://kengaku2.blogspot.com/2023/03/blog-post.html
武石の石造文化財マップ(ブセキ など)
https://kengaku2.blogspot.com/2023/02/blog-post.html

2023年4月12日水曜日

大行満 願海 生誕200年 没後150年

冷泉為恭(岡田為恭)画「願海阿闍梨像」より
冷泉為恭(岡田為恭)画「願海阿闍梨像」より


2023年は幕末の天台僧 大行満 願海(1823-1873)の生誕200年&没後150年、冷泉為恭(岡田為恭 1823-1864) 生誕200年。
願海は上田市にも縁があり、多くの遺品(100点以上?)が伝えられているとか。
今のところ企画展のような話は聞きませんが、どこかで計画はあるのでしょうか…


延暦寺国宝殿 夏季企画展「幕末の大行満願海」展(2022)
https://www.hieizan.or.jp/archives/5382

塩田平ガイドマップ(9)(10) 願海の道祖神
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/34587331
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/34589557
願海の幟旗
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/35825551

別所温泉駅 夫婦道祖神
https://kengaku2.blogspot.com/2023/03/blog-post.html
武石の石造文化財マップ(ブセキ など)
https://kengaku2.blogspot.com/2023/02/blog-post.html