三葉マツの化石(約18cm) 『坂城町胡桃沢化石群の調査報告』(1979)より |
貝原益軒(1630~1714)『大和本草 巻之三』(宝永6 1709)に「木ノ葉石」があり、産地の中に「信濃善光寺ノ近所榊ト云處」がありますが、「榊」は坂城のことでしょうか。
「硯ニスヘシ」ともあって、化石を含む粘板岩や硬い泥岩をイメージしていたようです。
「木ノ葉石」の前にある「花紋石」には「其形状各其物ノ形體備レリ 魚ナト只其形似タルノミニ非ス 頭目鬐鱗尾ノ形皆眞ト相同シ」(鬐:魚の背びれ、馬のたてがみ など)とあるので、植物化石だけでなく、産地はわかりませんが、魚化石も見ていたようです。
貝原益軒は筑前の人で、貞享2年(1687)に中山道を歩き、後に『木曽路之記』(宝永6年1月自序 1709)を書いているので、どこかで誰かの標本を見たのか、それとも何かの書物からの引用か、と思って探してみたのですが、今のところ見つからず…
貝原益軒『大和本草 巻之三』(宝永6 1709)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2557465/1/20
木ノ葉石 其石ノスヂメ木葉ノ如シ 會津羽黒山ノ北ノ麓 筑紫宗像大宮司宅ノアト 信濃善光寺ノ近所榊ト云處ニ何レモ木ノ葉石アリ 其外諸州ニアリ ワリテ中ニモ同紋アリ 硯ニスヘシ 是花紋石ノ類ナルヘシ
貝原益軒『木曽路之記』(正徳3 1713)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2536871
地質見学には良い季節ですが、産地情報になるので発信は控えめにしています。(マナーの悪い人へのガイドにもなることを自覚して… あまり人を恐れないクマの出没も増えてきているようで、これまで以上の警戒も必要かも)
同様に、受け入れ態勢のない観光コース(候補?)も、少し人が増えるだけでも、トラブルや不快感に繋がったりするので、慎重に… (私有地の撮影・紹介等は、一度許可を取っても結局トラブルになることも… 合意不足、投棄、侵入、毀損、盗難等)
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