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2025年10月29日水曜日

アイスクリーム・コーン・ゾンビ?

棲管化石
アイスクリームコーン・ワームの棲管の化石?
(UCVレポート2025.7.29 より)

夏休み中の化石探し体験(塩田公民館 2025.7.29)を伝えるUCVレポートで、角笛形の棲管化石が紹介されていました。
上田市付近では多く見つかる化石ですが、詳細はたぶんまだよくわかっていません。
レポートでは、アイスクリームコーン・ワーム(ゴカイ)の化石と紹介していました。
形・大きさにバリエーションがあるのと(管の端の形態など)、似た形の棲管を作る生物が複数いる可能性もあるので、資料が増えれば分類もされるようになるのかも。
ウミイサゴムシ(アイスクリームコーン・ワーム)の仲間の他には、ハオリムシ(チューブ・ワーム)、ホネクイハナムシ(ゾンビ・ワーム)など。

クジラのような大型の動物の化石が見つかると、「豊かな海」と言われることがありますが、実際は、小さな化石が、まばらに見つかるような印象で、生物の豊富さを感じることはあまりないかも… この棲管も、比較的よく見つかるペッカムニシキの貝殻も、とても薄くて、もろいので、採集時にハンマーで強く叩くと、母岩が割れたときには化石は粉々… ということも多いです…


幻のクジラ化石名?
https://kengaku2.blogspot.com/2024/10/blog-post.html
管状の化石
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/34308716
知らない化石
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/6889536
有孔虫と耳石
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/36186312
有孔虫化石
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/35565461

北向観音の由緒と古文書の謎
https://kengaku2.blogspot.com/2025/09/blog-post.html


2025年8月28日木曜日

自由研究のアーカイブ

上小児童生徒科学作品展 2012.9.1
上小児童生徒科学作品展(2012.9.1 上田創造館)

そろそろ科学作品展かなと思って検索してみましたが、毎度のことながら、なかなか案内は見つからず… 学校教育関係の資料によると、今週末の土日で良いようです。

学習成果物であり、アーカイブ対象というわけではないですが、価値があると思える作品もたくさんあります。例えば、ローカルな自然の記録はほとんど常時不足状態なので(アバウト、不正確なものでも)貴重…
もし、概要だけでも、世界中の作品をネットで閲覧できたら、気付きがあって、楽しいのかも。
近くの公園の昆虫の観察記録を見つけて、今はどうなっているのか?と思って調べてみるとか…

ちなみに、県教育委員会で『長野県学生科学賞作品展覧会報告』という冊子を発行していますが、図書館にはほとんど置いてなくて、知らない人が多いと思います。
地元に関係する郷土資料が地元で見られないのは残念なこと。全てとは言いませんが、どんな資料があるのか、図書館や学校で把握して、書名一覧を案内するとか、部分的に複写して紹介するとか、できることはありそう…
他には『文化財信濃』(県文化財保護協会)も近年のものは置いてない…

自由研究 (2012.9.2)
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/32010497
長野県学生科学賞作品展覧会報告 (2018.5.23)
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/36150012

思い付いたアーカイブの課題としては、
1 システムの形態
2 コスト
3 作品内部・作品自体の権利関係(著作権、プライバシー、環境保護 等)
4 内容の正確さ


2025年7月27日日曜日

化石の3D画像

野尻湖ナウマンゾウ博物館
野尻湖ナウマンゾウ博物館の復元模型

野尻湖ナウマンゾウ博物館で化石の3D画像を拡充するそうです。

信濃毎日新聞 2025年7月10日 12頁
「野尻湖ナウマンゾウ博物館 化石の3D画像 9→50点に拡充へ」
「(略)文化庁の「文化芸術振興費補助金メディア芸術アーカイブ推進支援事業」の一環。信濃町は本年度一般会計補正予算に事業費270万円を計上し、うち200万円は文化庁の補助金を充てる。
 同館は、いずれは県天然記念物の化石全88点を3D画像にしたい―とする。(略)」

(※文化庁「文化芸術(略)事業」の公募について調べたのですが、27日時点では今年度の採択結果は未発表?)

「9→50点」ということは41点追加ということでしょうか。事業費270万なので1点当たり6.5万円ほど… 相場等は知りませんが、使用する3Dスキャンは高精度が特長のようなので、形状の精細な測定・記録も兼ねているなら、多く作成する意義もあるのかも。

長野県には小さな郷土博物館がたくさんあって、その中には、興味深い化石もあったりするので、3D画像に限らず、それらを横断的に閲覧できたら楽しそうです。
大きさや重さ等を比較できる仕掛けもあると、一層、身近に感じられるかも。

令和7年度文化芸術振興費補助金メディア芸術アーカイブ推進支援事業について
https://www.bunka.go.jp/shinsei_boshu/kobo/94186401.html
令和6年度文化芸術振興費補助金メディア芸術アーカイブ推進支援事業について
https://www.bunka.go.jp/shinsei_boshu/kobo/94006901.html
令和5年度文化芸術振興費補助金メディア芸術アーカイブ推進支援事業について
https://www.bunka.go.jp/shinsei_boshu/kobo/93827901.html
MACC – Media Arts Current Contents
https://macc.bunka.go.jp/

野尻湖ナウマンゾウ博物館
【おしらせ】3D画像の公開をはじめました 2022.02.21
http://nojiriko-museum.com/blog/?p=1619

Innovate MUSEUM 事業 地域課題対応支援事業
No17 野尻湖周辺を活性化する博物館活動事業
https://innovatemuseum.bunka.go.jp/area-case/17/

化石を「3D画像」で…タブレットに映し出された「ナウマンゾウ」を観察…子どもたちが特別授業 長野・信濃町 SBC信越放送 2023.02.27
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/sbc/349710

YES!ものづくり~AB.do②~信州のものづくり企業に密着! SBC信越放送 2022.07.22
https://www.youtube.com/watch?v=x8Cm4aup0nU


野尻湖発掘を支えた 信州大学の人びと
https://www.shinshu-u.ac.jp/institution/library/archives/news/docs/nojiriko_web.pdf



2025年4月29日火曜日

アーカイブ・エディティング

上田地域千曲川自然電子図鑑 上田地域の地形・地質
「上田地域千曲川自然電子図鑑 上田地域の地形・地質」(非公開中?)

gooブログ(2004年3月~)が終了するそうで、また、多くの記録が消滅します。イベントレポートとか、団体の活動記録とか、重要性は不明確でも、失うには惜しいものもたくさんあるのでは……
図書館、博物館、学校等で、本等の媒体を収蔵するように、一定の有用性があるウェブコンテンツを普段から収集するようなことはできないでしょうか……

・個人や団体が作ったコンテンツを収集して、長く再利用できるような仕組みがほしい。
・即興的で完成度・信頼度が中程度のコンテンツが主な対象。
・ここで言う「アーカイブ・エディティング」は、デジタルアーカイブについての作業全般のこと。設計、運用、コンテンツの作成、作成依頼、収集、編集、保守、利用等。
・現在のウェブサービスと範囲は同じで、コンテンツの蓄積を前提としていることが特徴。各種サービス+アーカイブ機能。

残したいコンテンツというのは、例えば……

上田地域千曲川自然電子図鑑
http://edu.umic.jp/zukan/

上田小県地方の希少生物
http://kisyoseibutu.web.fc2.com/
(上田・小県の自然 http://www.geocities.co.jp/NatureLand/2876/index.html)

上田地域千曲川自然電子図鑑が見つからない?
https://kengaku2.blogspot.com/2023/12/blog-post.html


今年の花見…
花曇りいずこの鐘の響くやら
命にも無為の時あり春嵐
降りかかる花の香りの時雨かな


仏像は動く、菩薩立像の謎
https://kengaku2.blogspot.com/2025/03/blog-post.html
幻のクジラ化石名?
https://kengaku2.blogspot.com/2024/10/blog-post.html
大正13年大干ばつ100年 ~お地蔵様と生きるまち?
https://kengaku2.blogspot.com/2024/03/13100.html
もう一人の林東馬の謎
https://kengaku2.blogspot.com/2024/07/blog-post.html
北条国時、北条時春の勅撰集和歌
https://kengaku2.blogspot.com/2024/06/blog-post_24.html
もの恋し火ともしころを散る桜
https://kengaku2.blogspot.com/2024/05/blog-post.html


2024年10月26日土曜日

幻のクジラ化石名?

クジラ化石
(左)上田市行政チャンネル「浦野川から発見されたクジラ化石に関する記者発表会」(2020.3)より、(右)上田市自然科学講演会「クジラ化石の謎を解く」(2024.3)

2020年3月23日に「浦野川から発見されたクジラ化石に関する記者発表会」があって、その中で、「今後、世界的に使われる名前であろう」という「和名」の発表がありました。それが「ウエダアカボウクジラ」…

ところが、2024年3月23日の自然科学講演会「クジラ化石の謎を解く」では、ハクジラ類のアカボウクジラではなく、ヒゲクジラ亜目の可能性が高いとの説明があったそうです。まだ、わかりませんが、「ウエダアカボウクジラ」の名前は破棄されることになる?
(講演会の案内には「アカボウクジラ科」の記述があったので、判明したのは案内を作成した後だったのか、あるいは、連絡がうまく行かず修正されなかったのか…)

和名に明確な規定はないにしても、学名に基づいた日本語名にするのが普通だと思うので、本格的なクリーニングも始まっていない初期の段階での命名は勇み足でしょうか…

地域振興の意図を持って、化石等の名前に地名を入れるのも、良い事なのかどうか迷います… 広い範囲で同じ種が見つかる場合、先に発見した地域では自慢に思いながら化石の名前を呼び、その他の地域では残念に思いながら化石の名前を呼ぶのでしょうか… もしも、そんな一喜一憂をするなら、地名を入れない方が良いのでは…

研究が進んで分類が変わり、化石の学名が変わることもあります。そのときに余計なことを気にかけるのも嫌なものではないでしょうか…

クリーニング作業は、2020年3月の記者発表会では、約1年位と見込んでいるとのことでした。それから4年半なので、全体の化石の展示も近いのでしょうか…

クジラの化石
https://kengaku2.blogspot.com/2020/03/blog-post_24.html
下小島の雨降り地蔵
https://kengaku2.blogspot.com/2024/09/blog-post.html
金井の雨乞い地蔵尊
https://kengaku2.blogspot.com/2024/08/blog-post.html
大正13年大干ばつ100年 ~もらい水、千駄焚き
https://kengaku2.blogspot.com/2024/04/13100.html
大正13年大干ばつ100年 ~お地蔵様と生きるまち?
https://kengaku2.blogspot.com/2024/03/13100.html

もう一人の林東馬の謎
https://kengaku2.blogspot.com/2024/07/blog-post.html
北条国時、北条時春の勅撰集和歌
https://kengaku2.blogspot.com/2024/06/blog-post_24.html
もの恋し火ともしころを散る桜
https://kengaku2.blogspot.com/2024/05/blog-post.html

2024年1月12日金曜日

龍っぽいもの、龍つながり

アケボノゾウ臼歯化石(レプリカ 東御市産出 戸隠地質化石博物館所蔵)
アケボノゾウ臼歯化石(レプリカ 東御市産出 戸隠地質化石博物館所蔵)

辰は想像上の生き物なので、干支にちなむ話題では、何かしら関連のあるものを取り上げたりするようで、恐竜をテーマにしている所では、今年は恐竜の年、ということになるのかも… 年末にも恐竜関係のテレビ番組をいくつか見ました。
昔の「龍骨」「龍歯」には大型哺乳類の化石もあったので、例えば、ゾウ化石をテーマにしている所は、今年はゾウ化石の年ということしてもいい?

生薬学雑誌11(2) 1957-12-25
https://dl.ndl.go.jp/pid/10395724
益富寿之助「正倉院薬物を中心とする古代石薬の研究」
https://dl.ndl.go.jp/pid/10755921
(2頁より引用)
4. 竜骨(北第64号) 竜骨,白竜骨,竜角,五色竜歯は新修本草に記載される.これらは何れも哺乳動物の化石骨である.化石種の決定は哺乳類専攻の横浜国立大の鹿間時夫教授に委嘱した.
 竜骨は甲乙2種あるがともに鹿角 Cervis(Axis) punjabiensis BROWN の断片が主である.
5. 白竜骨(北第67号) 山西,河南西省に分布する三趾馬赤土層出土の化石鹿 Cervoceras Novorossiae KHOMENKO の歯及び角,四肢骨等の断片を主とし,これに食肉類 Ictitherium sinense ZDANSKY の歯断片その他から成る.
6. 竜角(北第69号) 印度産の化石鹿 Carvis(Axis) punjabiensis BROWN の角の断片と思われる.
7. 五色竜歯(北第70号) 大小2塊あり大塊は旧象 Palaeoloxodon namadicus (FALC & CAULT) であり,小塊は Archidoskodon planiflons (FALC & CAULT) であるらしい.ともに印度産でなければ日本産かと思われるものである.
 竜骨に就いて化学分析の結果,主成分は燐酸カルシウムであるが一部に二次成の CaCO3 calcite によつて交代されている.燐酸カルシウムは光学的に燐灰石 apatite の繊維状集合体を形成する.最近アメリカの古生化学者 Philip Abelson 氏の研究によると数十万年を経た化石骨中にもアラニン,グリシン,ロイシン,ヴァリン,グルタミン酸等のアミノ酸を検出するとのことである.竜骨が強壮薬となるのは或いはこのような有機成分が与かるものかも知れない.
8. 似竜骨石(北第134号礦石数種中) 一種の化石木で樹幹の繊維か SiO2 で交代された珪化木 siliceous wood である.その破片の状況が竜骨に似るのでこの名がが出たのであろう.江戸時代に中国から渡米した竜骨にはこの珪化木が多かつたらしい.


ナルバダゾウ 学名(Palaeoloxodon namadicus)
https://paleontology.sakura.ne.jp/narubatazou.html

アケボノゾウ切歯・臼歯
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/32353816



めでたさも16時間の年始かな
リモコンで年賀と惨状切り替わり

2回目が激震だったので、次に揺れたときはそのつもりで避難行動をすると思いますが、それで何もないことが続けば、またその経験から、追加的な警戒をしなくなるのかも…

NHK「光る君へ」は、正月7日に凶事の予言で始まり、驚きました。今年はもう正月気分ではなかったですが…
星図の元ネタはあるのでしょうか。口星? 国星? と思って検索してみたのですが見つからず…
PCのフォントを使った印刷物という話もあって、もしかして文字化けや誤写の可能性も?
冒頭の「貞元二年(977)年」は見ない表記方法で、~(977年)で良いのでは…


2023年8月30日水曜日

「塩」の地名と塩田庄の謎

青木村当郷塩之入
青木村当郷塩之入(八木貞助「長野縣小縣郡浦里村産の化石哺乳類」(1942)より)

「塩」が付く地名はいろいろありますが、由来も複数あるのではないかと思っています。

以下は、『小県郡史』にある、塩田の地名起源説話です。
前山に例が多くあるようにも読めますが、直接的な「塩」地名は一所だけ。「故に此地を「塩田」と云ふ」という理由付けは曖昧。「伝説構成の時代は極めて新しきを覚ゆ」とも。

『小県郡史 余篇』(大正12 1923) 74頁
https://dl.ndl.go.jp/pid/965787/1/50

塩田の海。
昔々、神様の代に塩土翁《シホツチノオキナ》が奥州塩釜に往かれて、塩のこしらひ方をお授けになり、お帰りのみぎり塩田に立寄り、和世田神とお二方で又塩のこしらひ方をお授けになった。其頃は塩田平は一面の海で水はまん/\としてゐた。潮水を汲んだ所を「浜場」といって、塩を焼いた所を「釜屋敷」と云ふた。其後に地主の神が多くあらはれて来て、御手洗を「塩野井」と云ひ、其あたりを「塩野間」又は「塩沼」又は「塩野はさま」と云ふて、今に西塩田村の前山に残ってゐる。故に此地を「塩田」と云ふので、中塩田村の小島は其頃中島であって、岩鼻が切れて海の水がひけるに従ひ、だんだん乾いて陸地となった。其荒れ水が埴科郡の坂木の横まくりに打ちあたって其地を壊した。(里伝、塩野神社縁起)

此伝説は地名説名の習俗より出でたるものにして、伝説構成の時代は極めて新しきを覚ゆ。今尚塩に関する類似の地名を求むれば、富士山村字塩の入・中塩田村保野区字塩野・及び塩吹・別所村字塩水・泉田村小泉区字塩野・塩田川原・浦里村越戸区字塩の入・同村浦野区字塩の入等あり、此地方田圃に出づることを今に「沖へ行く」若くは「浦へ行く」といへり。


解説文では「塩の入」(3所)が目立ちます。他に「塩野入」が前山(同書486頁)と舞田にありました。前山以外は、隣接した「塩野」はないようです。
「塩の入」の「塩」は、単純に、山麓でしみ出す水のことを言っているような気もしますが、どうでしょうか… 実際に旱魃でも乾きにくい所かどうかは未確認ですが。


他の可能性としては、牧の関係で、馬が好む場所・水を「塩野」「塩野井」と呼んだという可能性はないでしょうか。
(前山は独鈷山と産川に囲まれているので、草地にして北東をふさげば牧場にできた?)

ちなみに、「天正六年二月 上諏訪造宮帳」(1578)に「三御柱 小縣郡 塩田拾二郷 ~ 魔(前)山郷」とあるのは、「厩山」の誤写の可能性もありそうな…

信濃史料 巻十四(3)
https://adeac.jp/npmh/catalog/mp000014
https://adeac.jp/npmh/viewer/mp000014/1403/?pagecode=75


「塩田庄」の名前の由来はまた別で、外来の可能性もあるように思います。
平安時代に甲斐の三枝氏が別所の常楽寺の別当をしていたらしく(『上田市誌 総説 上田の歴史』(2004))、同じく甲斐の有力氏族に降矢氏がいて、その拠点が甲斐国一宮 浅間神社近くの「塩田」という所。降矢氏か三枝氏の関係者が塩田庄を開発し塩田氏を名乗ったのではないか、という仮説です。(富士山の北30kmの所で、平安時代に何度もあった噴火の影響で各地へ移住する人達もいた?) 産川水系を支配する手塚氏がいたとすれば、塩田庄は湯川水系または尾根川水系で始まったのかも。あるいは最初から諏訪経由で手塚氏とは一体化していた?
(ちなみに「手塚」の由来は大伴氏の拠点の帝塚山(てづかやま)の可能性がある?)

甲斐國志 卷之五 十八
神社部 第四 八代郡大石和筋
一 國立明神 塩田村 黒印神領二石八斗社地 東西十六間 南北三十間 證文ハ上萬力村神主藏ム 社記ニ云所祀國造鹽海ノ足尼ナリ 社中ニ神代杉ノ古株アリ 傍ニ建石或ハ矢石ト稱スルアリ 土人相傳テ曰古天ヨリ矢降リ化シテ石トナル故ニ此ノ邊降矢ヲ氏族トスル者多シト云リ 又一説ニ昔鹽田ノ長者降矢對馬ノ守二金亀ヲ藏ム 一ハ此ニ瘞メ石ヲ立テ金亀明神ト稱シ 一ハ金川ノ上流ニ沈ム 其處ヲ亀淵ト稱ス 藤木ノ域内ナリ 凡旱年ニハ近鄕五拾餘村盡ク蜂城山ニ雩ス然ルニ本村獨リ金川ニ遡リテ亀淵ニ雩スルハ盖此故ナリト云リ

https://www.digital.archives.go.jp/file/1257083.html
https://www.digital.archives.go.jp/img/4393671/17


八木貞助(1879-1951)「長野縣小縣郡浦里村産の化石哺乳類」
地学雑誌 1942 vol.54 (635) p.30-34
https://doi.org/10.5026/jgeography.54.30
(昭和初め、工事中に地下5mから発見されたナウマンゾウ化石等の報告)

2023年4月22日土曜日

木の葉石

三葉マツの化石
三葉マツの化石(約18cm)
『坂城町胡桃沢化石群の調査報告』(1979)より

貝原益軒(1630~1714)『大和本草 巻之三』(宝永6 1709)に「木ノ葉石」があり、産地の中に「信濃善光寺ノ近所榊ト云處」がありますが、「榊」は坂城のことでしょうか。
「硯ニスヘシ」ともあって、化石を含む粘板岩や硬い泥岩をイメージしていたようです。
「木ノ葉石」の前にある「花紋石」には「其形状各其物ノ形體備レリ 魚ナト只其形似タルノミニ非ス 頭目鬐鱗尾ノ形皆眞ト相同シ」(鬐:魚の背びれ、馬のたてがみ など)とあるので、植物化石だけでなく、産地はわかりませんが、魚化石も見ていたようです。

貝原益軒は筑前の人で、貞享2年(1687)に中山道を歩き、後に『木曽路之記』(宝永6年1月自序 1709)を書いているので、どこかで誰かの標本を見たのか、それとも何かの書物からの引用か、と思って探してみたのですが、今のところ見つからず…

貝原益軒『大和本草 巻之三』(宝永6 1709)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2557465/1/20
木ノ葉石 其石ノスヂメ木葉ノ如シ 會津羽黒山ノ北ノ麓 筑紫宗像大宮司宅ノアト 信濃善光寺ノ近所榊ト云處ニ何レモ木ノ葉石アリ 其外諸州ニアリ ワリテ中ニモ同紋アリ 硯ニスヘシ 是花紋石ノ類ナルヘシ

貝原益軒『木曽路之記』(正徳3 1713)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2536871


地質見学には良い季節ですが、産地情報になるので発信は控えめにしています。(マナーの悪い人へのガイドにもなることを自覚して… あまり人を恐れないクマの出没も増えてきているようで、これまで以上の警戒も必要かも)
同様に、受け入れ態勢のない観光コース(候補?)も、少し人が増えるだけでも、トラブルや不快感に繋がったりするので、慎重に… (私有地の撮影・紹介等は、一度許可を取っても結局トラブルになることも… 合意不足、投棄、侵入、毀損、盗難等)

第三紀層地すべりの記事
https://kengaku2.blogspot.com/2023/04/blog-post.html
大行満 願海 生誕200年 没後150年
https://kengaku2.blogspot.com/2023/04/200-150.html
別所温泉駅 夫婦道祖神
https://kengaku2.blogspot.com/2023/03/blog-post.html
武石の石造文化財マップ(ブセキ など)
https://kengaku2.blogspot.com/2023/02/blog-post.html


2023年1月29日日曜日

黒色頁岩の模型

黒色頁岩の模型
黒色頁岩の模型

黒色頁岩(化石付き)の模型を試作してみました。板状の6面体を作って着色、魚鱗化石や植物化石を紙に印刷、切り取り、貼り付けて完成。
小さい化石は実物大では解像度不足で、何だかよくわからないものに…
雰囲気だけでなく、細部の構造が多少はわかる図を用意すること。
拡大も必要と思いますが、何か不自然な感じにはなります。
虫眼鏡の模型のレンズの部分に拡大図を貼り付けたらどうか、でもあまり面白くないかも、とか考え中…

2022年6月20日月曜日

信濃国古器集録 成沢寛経 矢嶋行康 井上寂英

『信濃国古器集録』雷斧
『信濃国古器集録』雷斧 長壱尺五寸(約45cm イッカクの角?)

『信濃国古器集録』は明治時代初期の信濃の愛好家や寺社の所蔵品の図を集めた冊子。約40頁。詳細は不明。
https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100323866

実相院「石剣」(独鈷石?)、龍洞院(上青木)「缶」(壺?)、東昌寺「浦野美濃守友久 木印」等、今もあるでしょうか。

蔵印「杉園」は 小杉榲邨(すぎむら)(1835-1910)

原昌言(良平 1820-1886) は『弘化丁未信濃国大地震之図』でも知られています。

「成澤金兵衛蔵」「成澤蔵」は明治時代の金兵衛(世襲名)のことかもしれませんが、元は成沢寛経(金兵衛 七郎左衛門 1797-1868)の所蔵品の可能性があります。寛経は家業のために書籍等を多く処分したそうなので、手元に残したものか、その後新たに入手したものか。

飯山の井上寂英(1842-1916)は真宗寺の住職。真宗寺に下宿した保科百助もウニコールの角を見たのでしょうか。

矢嶋行康(吉太郎 1836-1895)所蔵の「石鏃」は玄能石に見えます。もしも原寸大なら約20cmで「石鏃」「矢の根」と呼ぶには大きめ。上田産か、北国街道沿いなので越後産の可能性も。もしかして、海野宿の資料館にあったりするのでしょうか…

両参りと片参りの謎(北向観音、善光寺)
https://kengaku2.blogspot.com/2022/03/blog-post.html
義仲願状、三島社
https://kengaku2.blogspot.com/2022/02/blog-post.html
義仲・鎌倉 Year
https://kengaku2.blogspot.com/2022/01/year.html
鎌倉殿と信州上田
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Japan Heritage fake ley line
https://kengaku2.blogspot.com/2022/02/japan-heritage-fake-ley-line.html

2021年12月31日金曜日

飾り亜炭?

亜炭の破片
亜炭の破片

雲間に少しだけ見えた大晦日の夕日
雲間に少しだけ見えた大晦日の夕日

注連飾りに木炭も使うのですが、切らしているとのこと。冗談で、亜炭で良ければ近くの山にあると言ったら、見たいという人がいて、寒中、出かけることに…
沢沿いの崖に少し露出している程度。流されて塊が集まっている場所でいくつか拾いました。
結局、木炭の都合がついて、亜炭は使いませんでしたが、石炭とか亜炭を縁起物にするような風習も、どこかにはあったりするのでしょうか。

2021年10月20日水曜日

湖成層の化石

湖成層
湖成層

湖成層
湖成層(右は現代の犬の足跡)

貝化石の破片
貝化石破片の表面。藍鉄鉱化?

藍鉄鉱化した植物化石?
藍鉄鉱化した植物化石?


上小湖成層の貝化石はときどき見てはいるのですが、標本にしたことはありません。露出しているのは半分壊れていて、残りを壊さずに採取するのも難しそうなので。地層を掘り込むわけにもいかず…
窪みは足跡化石かもしれないので注意して見るようにしています。露出が狭く、連続はわかりにくいです。

自由研究の岩石・鉱物採集(桃簾石、オーケン石など)
https://kengaku2.blogspot.com/2021/08/blog-post_20.html
自由研究の化石採集
https://kengaku2.blogspot.com/2021/08/blog-post.html
看板いろいろ、信州上田・塩田平の日本遺産ストーリー
https://kengaku2.blogspot.com/2021/07/blog-post.html
夏至の朝日と別所線の赤鉄橋
https://kengaku2.blogspot.com/2021/06/blog-post_27.html
Japan Heritage delusions
https://kengaku2.blogspot.com/2021/06/japan-heritage-delusions.html

2021年10月9日土曜日

掃いて捨てるほど 化石の日

魚鱗化石 ニシン科?
魚鱗化石 ニシン科? 隆起線はこの写真では見えません。

魚鱗化石 ハダカイワシ科?
魚鱗化石 ハダカイワシ科? 隆起線と溝条を確認できます。

不明化石
不明化石 空洞化した有孔虫?

国際化石の日が10月第2週の土日、日本古生物学会の化石の日が10月15日。
「掃いて捨てるほど」という言葉がありますが、小さな化石は本当に掃いて捨てられていたりします…
たまには、そんな身近に無数にある、大昔の生き物の遺骸を観察してみるのもいかがでしょうか。

クリーニング中のクジラ化石の展示はもう少し先?

日本古生物学会 化石の日
http://www.palaeo-soc-japan.jp/fossilday/

今年の自由研究作品展は地学関係はわずかのようです。採集イベント等が少なかった影響でしょうか。川原の石ころとか、小さな化石なら、資料集めに支障はないと思いますが、情報量は現状では少ないのかも… かと言って、安易に増やすのもまずいジャンル…
令和3年度 第65回 長野県学生科学賞作品展覧会
http://kagakusakuhinten.sakura.ne.jp/

自由研究の岩石・鉱物採集(桃簾石、オーケン石など)
https://kengaku2.blogspot.com/2021/08/blog-post_20.html
自由研究の化石採集
https://kengaku2.blogspot.com/2021/08/blog-post.html

2021年8月1日日曜日

自由研究の化石採集

ウロコ化石
魚のウロコの化石(ニシン科? 細かい線が隆起線 写真幅約3mm)

有孔虫
有孔虫化石(複雑な形 写真の高さ約1mm)

魚の椎骨の一部?
魚の椎骨の一部?(写真幅約3mm)

ソコダラ科化石
ソコダラ科化石の一部(上田市立博物館収蔵品紹介より)

割れた化石を補修して標本作成
割れた化石を補修して標本作成

耳石の簡易標本例
耳石の簡易標本例(現生 カラフトシシャモ?)

子供向けの化石採集体験を、との話で、少人数で集まるやり方もあったかもしれませんが、集まらなくても化石採集はできるので、ネット利用の分散実施をしてみました。サンプルの頁岩(別所層)を配布、自宅付近で化石採集体験と標本作り(実習手順のワークシートを穴埋め・チェックしながら標本を一つ作成)、写真をネット共有、意見交換。手探りで不手際だらけでしたが…
魚鱗の隆起線と有孔虫の撮影は、機材によってできたり、できなかったり。
状況が見えず、トラブルの有無もわかりにくいのが一番の問題でしょうか。改良の材料が少ない感じ…(ただ見ているだけでも、気付きがあり、考え続けているので、それができない状態、現場を離れて間接的に取り組むことの違和感、不安感… これが普通になったら得るものと失うものがありそう…)

標本用の紙箱
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/35783006
化石の体験、標本作り
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/36221650
隆起線と成長線
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/35858074

企画展「発見!青木村にナウマンゾウ!?」を開催します。
http://www.vill.aoki.nagano.jp/topic?id=8#647
ナウマンゾウの臼歯の化石 アジアノロバ(ヘミオナス馬)の化石
https://museum.umic.jp/hakubutsukan/collection


看板いろいろ、信州上田・塩田平の日本遺産ストーリー
https://kengaku2.blogspot.com/2021/07/blog-post.html
夏至の朝日と別所線の赤鉄橋
https://kengaku2.blogspot.com/2021/06/blog-post_27.html
Japan Heritage delusions
https://kengaku2.blogspot.com/2021/06/japan-heritage-delusions.html



2021年3月9日火曜日

頁岩の化石クリーニング

側線鱗
ハダカイワシ科の側線鱗?

二枚貝?
二枚貝の一部分?

UCVのナゾときチャン!!で一昨年発見されたクジラ化石の続報をしていました。昨年9月の様子が上田市行政チャンネルの動画にありましたが、今回は撮影も不可で、もしかして難航しているのでしょうか…

別所層の黒色頁岩は割れるようにしか割れず、化石クリーニングは、ほとんど何もしなくても良いか、非常に困難か、両極端のことが多いような気がします。叩けば崩壊、削っても化石との境界が見えない… (なので非破壊のデジタル採集ができるなら、その方が情報量は多いかも)

この付近の化石は戸隠地質化石博物館にも多く収蔵されているそうです。化石の種類や劣化の程度等の概要はわかるのではないかと。(『戸隠地質化石博物館 化石資料目録 1』(2014))

ところで、動画で、水に濡れた頁岩を叩いて割っていましたが、知る限りでは、ありえない方法です。崩壊することがあり、粉々になれば復元は困難。(プリオシン海岸の大学士に怒られます…)
魚の頭骨等、採集後の状態はどうでしょうか?

川原の転石(化石の露出のないもの)は石の上などで乾かして(地面では乾きません)、必要なら接着剤等で補強してから力を加減して割ります。強く叩くと、化石が壊れたり、都合良く割れても後になってひび割れ・剥離したり。
化石を採集しているのか壊しているのか、わからなくなることも…

あまり話題にされませんが、小さな化石の研究もあります。(石灰質ノジュール等の放散虫)
田邊勝彦・本山功・川村好毅・澤田大毅・柳沢幸夫「長野県上田市太郎山周辺の中新統の地質と放散虫化石層序」(2016)
https://staff.aist.go.jp/y.yanagisawa/
本山功「日本における過去20年間の新第三系放散虫化石層序学の進展」(2019)
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/bullgsj/70/1-2/_contents/-char/ja

ちいきたんけん ナゾときチャン!!  「上田にクジラ!?」のナゾ
https://ucv.co.jp/program/cat_prg/regular/nazo/
上田市行政チャンネル のびのび川遊び体験教室「浦野川で遊ぼう学ぼう!」(2020年9月開催)
https://www.youtube.com/channel/UCQUofwdBg7SAspK-jGOIDSw/videos
育成会便り(No.51) 令和2年11月30日発行
https://www.city.ueda.nagano.jp/soshiki/shogaku/3853.html

「所さんの目がテン! 東京化石探し」の動画配信を見ました。建物の石灰岩の壁のアンモナイトなど。大きな写真がたくさんあって面白かったです。(ウミユリ、サンゴ、べレムナイト、厚歯二枚貝、海綿動物、巣穴化石)
基本的には川で無許可の掘削は違法では?(川岸を掘り起こすシーンは大丈夫?) 集中・累積しない、わずかで軽微な行為なら問題にされないかもしれませんが。(個々の採集はわずかでも大勢で繰り返したら、土地の形状を変更する行為になってしまいます。情報発信にも責任はともなうかと。)
化石採集体験で「露頭・地層を掘ったり叩いたりするのはダメ」と言うと、つまらなそうな顔をしたり、無視して勝手に叩いたり… 気持ちはわかりますが、砂遊びではないので。処罰や立入禁止などの結果も。

2021年1月16日土曜日

モノマネ石、化石おみくじ、一文字石

干支石?
干支石?

不明化石?
不明化石?

緑色凝灰岩の一文字石
緑色凝灰岩の一文字石

正月恒例?の、川原でモノマネ石さがし(干支石さがし)をしました。小石のある場所へ移動して、制限時間は5分。まずは汎用俵形の小石をいくつか確保。それから形や模様の面白い石を探しましたが、うまく見つけられず、結局、牛とも虎とも何とでも言えそうな小石を選んで終了。最下位で良いです…
大きな斑晶のない安山岩でしょうか。ちなみに古文書で見かける「青石」は青から緑色の閃緑岩とか片岩とか、各種の石のようで、安山岩もあるのかも。他にはホルンフェルスの青いものを青石、茶褐色のを赤石と呼ぶのを聞いたこともあります。

化石おみくじは、軟らかい泥岩の礫を3個拾ってみました。結果は3個とも植物片と不明化石がありました。上の写真は形は貝に似ていましたが、植物化石と接していて、何か別のものかも。

緑色凝灰岩(これはたぶん変質した溶結凝灰岩)の一文字石も見ました。
三保松原の一文字石も溶結凝灰岩だったのかも。今も普通にありそうな気もしますが、どうでしょう… (昔は一文字石の話だったのが、今はハチマキ石の話ばかりで(一文字石と同一視?)いつ頃入れ替わったのでしょう)
黒羊石、はちまき石、一文字石
https://kengaku2.blogspot.com/2020/02/blog-post.html


星糞峠黒曜石原産地遺跡(平成13年指定 国史跡)の展示施設の名称が決まったとのこと。記事では触れていませんが、「星の糞遺跡」(昭和44年 御前崎市指定文化財)があり、唯一の名称とは言い難いです。江戸時代の「星石」の名前を使って、星の石館、ほしいし館 等もあったかも。隕石と誤解されそうで注釈が必要になったかもしれませんが…

◆長和町が「黒耀石鉱山展示室」を「星くそ館」に決定! 長和町同町大門の国史跡「星糞峠黒曜石原産地遺跡」に整備している展示施設! 来年7月にオープンを予定!
https://shinshu.fm/MHz/22.56/archives/0000609654.html
御前崎市内の指定文化財一覧 星の糞遺跡
https://www.city.omaezaki.shizuoka.jp/kurashi/sports_bunka/bunka_gejutsu/bunkazai/ichiran.html
星糞(星石)
https://kengaku2.blogspot.com/2019/06/blog-post.html

2020年11月6日金曜日

ウチムラマユイガイダマシ

ウチムラマユイガイダマシ(信濃中部地質誌)
ウチムラマユイガイダマシ(信濃中部地質誌 化石貝類圖版第十三 より)

中信層群分布圖(信濃中部地質誌)
中信層群分布圖(信濃中部地質誌 104頁)


先日、ウチムラマユイガイダマシは内村層で産出しているか? という話題があって、資料を見ると別所層が多いようでした。『信濃中部地質誌』(昭和6 1931)では内村層最上部(内村層と別所層の間)としていました。産出地は西内村と錦部村赤怒田。(「第二篇 信濃中部の地質 第七章 中信層群」101頁~。分布図の中央左上の X X が西内村、その西方の X X の右側が赤怒田。「第四篇 特殊研究 第一部 化石貝類」の黒田徳米の記事には層序や年代の記述はありません。) 境界付近で諸説あるのかも。その層より下部でも見つかっているかどうかは、わかりませんでした。

ちなみに、Adulomya uchimuraensis は「内村地域のマユイガイダマシ」。
特徴的な岩石から見つかる示準化石・示相化石で、この地域の代表的な化石の一つではないかと。

ウェブで検索すると(マの抜けた)ウチムラユイガイダマシもあって、誤りのソースは Wikipedia 「松本盆地」、その元は「長野県の地学」のウェブサイトでしょうか。

1998年にそれまでの標本の一部は(一度)別種に分類された?(和名は ウチムラマユイガイダマシ、ウチムラシロウリガイ、クロダウチムラシロウリガイ?) 今後も化石資料が増えればまた再定義がされるのかも。
Adulomya uchimuraensis Kuroda, 1931
Calyptogena (Adulomya) uchimuraensis Kuroda. Kanno & Tanaka in Kanno et al., 1998
Calyptogena (Adulomya) uchimuraensis kurodai Kanno & Tanaka in Kanno et al., 1998

Fossil Adulomya (Vesicomyidae, Bivalvia) from Japan (2011)
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201302290159105361
Googleで検索

Fossil Vesicomyid Bivalves from the North Pacific Region (2007)
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201302202146723167
Googleで検索

天野和孝「化学合成二枚貝の化石記録と進化」(2014)
https://doi.org/10.14825/kaseki.96.0_5
「名誉会員菅野三郎先生を悼む」(2008)
https://doi.org/10.14825/kaseki.84.0_109

シロウリガイ
https://kengaku2.blogspot.com/2020/01/blog-post_9.html
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/34988277
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/35541306


2020年10月15日木曜日

日本遺産 レイラインの幅

有孔虫化石(Pararotalia?)
有孔虫化石(Pararotalia?)

レイラインのイメージ図 信州上田 鹽田平 日本遺產
広報うえだ(令和2年7月)より。ラインというよりベルト? この中なら直線状?

The 2020 July issue of Public Information Ueda City, Nagano, Japan 信州上田 鹽田平 日本遺產
日本遺産ストーリーの"直線"?

レイラインの幅(生島足島神社、泥宮、安楽寺)
レイラインの幅(生島足島神社、泥宮、安楽寺)

レイラインのイメージ 信州上田 鹽田平 日本遺產
線の幅により全域の文化財が 1本の直線状に配置?

イベントは雨で中止でしたが、小さな化石の採集は随時しています。

先日、日本遺産のレイライン(ley line 本来 太陽光線の意味はありません)の線の幅は? という話題があって、Googleマップの「距離を測定」の線を引いてみたら、生島足島神社と泥宮を通る直線から安楽寺八角三重塔までの距離はだいたい1.7km程のようでした。直線を中心にするなら3~4kmで、平野部の大部分が入るような幅です。(3点間の距離から計算してみると、a=5.97km b=4.16km c=1.94km x2=b2-d2=a2-(c+d)2   d=約3.76km x=約1.79km  安楽寺への角度は生島足島神社で acos((1.94+3.76)/5.97)=約17度、泥宮で acos(3.76/4.16)=約25度、信濃国分寺でも acos((5.40+1.94+3.76)/11.23)=約8度。イメージ図では、普通の線と点では一直線にできないので、太い線と大きな丸を使用。直線に近いはずの泥宮・女神岳は省略。直線状だという別所温泉で夏至の日の出がどう見えるか、誰も何も言わないのはなぜ? この方向は犍陀多バッドエンド?)

上田市南部は山脈の方向が「南西-北東」で川の方向性も同様。(産川、湯川、浦野川、内村川、武石川) 地形が日の出方向を向いているとも言えるかも。
地形から川と平野の方向性が決まり、集落、道路、鉄道の方向性が決まるということでしょうか。精神的にも何となく日の出方向を向いて日々暮らすことになるのかも。これまで何かの意味付けがされたことがあるかどうかわかりませんが。(別所線や鉄橋が印象深いのは、日の出・東方の信仰(体に染み付いた東西循環の地勢感覚のようなもの?)も影響している?)

聖地としてPRするなら、水源の整備は不可欠かと。手抜きをすると致命傷になりかねない…

「構成文化財一覧」に「善光寺地震絵馬」がありますが、これは肯定的に扱うのでしょうか… 地震・火災で御開帳参拝の旅行者千人余りが亡くなったと言われていて、偶々助かったからご利益があるとか、むしろ酷い皮肉な話、災害便乗・被災者冒瀆に思えてしまいます。

善光寺地震をご存じですか?
https://www.city.nagano.nagano.jp/soshiki/kikibousai/2615.html

生島足島神社~別所温泉の線=別所線 なので、沿線にランドマークを設置して、収益改善と地域観光の全体的な集客向上を図るというのが目的でしょうか。

※追記:2021年9月に「令和2年度 上田市日本遺産 補充調査報告書」がウェブ公開されました。日本遺産申請におけるレイラインについての認識・考え方がわかる資料だと思います。
このレイラインが伝統的民俗文化でないことは承知されていたようです。(「当時(※昭和58 1983)この説は地元研究者らには全く受け入れられず」4頁 等) その上で、日本遺産認定によって、伝統的民俗だと誤認させることに対しては、何の問題意識も持たれていないように見えました。(嘘は言っていない、勝手に誤認する方が悪い? ほとんど特殊詐欺?)
他にもいろいろ疑問点はありますが、一つだけ書くと、
夏至や冬至に 斜めから見て 鳥居の真ん中を太陽が通る光景は特別でしょうか? 神秘的でしょうか? 斜め鳥居でも確かに真ん中を通っていると言い張るのが 日本遺産クオリティ? それが上田市のシビックプライド? 地域の誇り?

上田市日本遺産 令和2年度事業報告 2021年9月22日更新
https://www.city.ueda.nagano.jp/site/nihonisan/index.html

龍王山、レイライン
https://kengaku2.blogspot.com/2020/06/blog-post_20.html
鷲岩と雨乞い多様性
https://kengaku2.blogspot.com/2020/08/blog-post_19.html
独鈷山、鉄城山、殿城山
https://kengaku2.blogspot.com/2020/03/blog-post.html
別所層の有孔虫化石
https://kengaku2.blogspot.com/2020/07/blog-post_15.html

新しい鞍が淵伝説
https://kengaku2.blogspot.com/2020/10/blog-post_27.html
日本遺産ストーリー 子供銀行券 (日本遺産スペシャル)
https://kengaku2.blogspot.com/2020/12/blog-post_31.html
夕日いろいろ 信州上田・塩田平の日本遺産ストーリー
https://kengaku2.blogspot.com/2020/12/blog-post_19.html
日本遺産 ストーリーのデパートメント化
https://kengaku2.blogspot.com/2020/11/blog-post_12.html
曲がった直線、裸の王様、袈裟供養
https://kengaku2.blogspot.com/2020/11/blog-post_15.html


2020年10月9日金曜日

化石の日と文化祭

カバノキ科?(上田創造館)
カバノキ科?(上田創造館)

クロベの仲間?(上田創造館)
クロベの仲間?(上田創造館)

ダケカンバ?とクロベ?(東部町誌 自然編 91-92頁より)
ダケカンバ?とクロベ?(東部町誌 自然編 91-92頁より)

今週末は国際化石の日とのことで、ちょっとした化石採集体験の話もあったのですが、どうも雨で延期(未定)になりそうです。

オンラインのイベントもあるようです。
日本古生物学会 化石の日
http://www.palaeo-soc-japan.jp/fossilday/

化石の日、県の石
https://kengaku2.blogspot.com/2019/10/blog-post_19.html

写真は上田創造館の真田町渋沢産の植物化石です。上はカバノキ科(ダケカンバ、ウダイカンバ、ヤシャブシ、ミヤマハンノキなど)に近いように見えますが、どうでしょう… 下はクロベの仲間で良いのではないかと。
3枚目の写真は『東部町誌 自然編』(平成1 1989) 91-92頁より、同地産の化石で、左の葉もダケカンバっぽく見えます。(90頁のムカシブナもギザギザのカバノキ科にも見えるような…)
右はクロベ。別所層・青木層でも見かけます。(大きめのアスナロのようなものも。同頁のメタセコイアはムカシランダイスギにも見えます。)
(上田創造館の化石の写真は頂き物です。先週久々に行ってみたら、一階の資料室は閉まっていて、見学希望者は申し出るように案内掲示があり、その時は一人で時間もなかったので遠慮してしまいました。)

自由研究の作品展もそろそろでしょうか。毎度ながら予告等は見つからず…
※追記: 公開されました。
令和2年度(第64回)長野県学生科学賞作品展覧会
https://kagakusakuhinten.sakura.ne.jp/

自由研究と疑似科学
https://kengaku2.blogspot.com/2020/08/blog-post_17.html

地域の文化祭もウェブで代用できる部分は何かしらあるはずで、それを支援・応援するような活動も何かあると良いのかも。

以下、化石一覧等の資料です。

『東部町誌 自然編』(平成元 1989) 92頁「表8 渋沢の植物化石」より

植物化石名 ◎多○普通△小 冷温帯植物 温暖帯植物 化石種
被子植物(双子葉植物)
1 ブナ ◎ 温
2 ムカシブナ △ 温 化石種
3 カシワ △ 温
4 コナラ ◎ 温
5 ヤマハンノキ △ 温
6 ヤシャブシ △ 温
7 ケヤキ △ 温
8 ダケカンバ △ 冷
9 ウダイカンバ △ 温
10 アズサ △ 温
11 アサダ △ 温
12 クマシデ △ 冷
13 サワシバ △ 温
14 イヌシデ △ 温
15 アズキナシ △ 温
16 クララ属 △ 温
17 シナノキ ○ 温
18 イタヤカエデ ○ 温
19 フジ属 ○ 温
20 カキ属 △ 温
裸子植物
21 ヒメバラモミ △ 冷
22 コメツガ △ 冷
23 クロベ ○ 温
24 二葉マツ △ 温
25 ビャクシン △ 冷
26 メタセコイア △ 温 化石種
27 ヒルムシロ科 ○ 温


茨木宣雄「真田町、渋沢から産出した植物化石群について -烏帽子岳の基盤の地層-」(『上田・小県 第41号』昭和55.3 1980) より

渋沢産植物化石分類表
 学名 和名 植物体の部分名 産出数
1 Picea sp. (P. cf maximowiczii Regel) トウヒ属(ヒメバラモミ) りん片, 種子 ○
2 Tsuga sp. (T. cf diversifolia (Maxim) Masters ツガ属(コメツガ) 球果 ○
3 Pinus sp. (Diploxylon) マツ属(二葉松節) 葉 ○
4 Thuja sp. (T. cf. standishii (Gordon) Carr.) クロベ属(クロベ) 小枝 ◎
5 Juniperus sp. ビャクシン属 小枝 ◎
6 Alnus maximowiczii Callier. ミヤマハンノキ 葉 ○
7 Alnus firma S. and Z. ヤシャブシ 葉 ○
8 Ostrya japonica Sargent. ヨグソミネバリ 葉 ○ (※ Ostrya japonica はアサダ)
9  Carpinus japonica Blume. アサダ 葉 ○ (※ Carpinus japonica はクマシデ)
10 Carpinus cordata Blume. クマシデ 葉 ○ (※ Carpinus cordata はサワシデ)
11 Carpinus cordata Blume. サワシデ 葉 ○ (※ 10と重複?)
12 Carpinus tschonoskii Maxim. イヌシデ 小苞 ○
13 Fagus crenata Blume. ブナ 葉, 殻斗 ●○
14 Quercus serrata Thunb. コナラ 葉 ●
15 Quercus dentata Thunb. カシワ 葉 ○
16 Sorbus alnifolia (S. and Z.) C. Koch アズキナシ 葉 ○
17 Sophora sp. クララ属 小葉 ○
18 Wisteria sp. フジ属 小葉 ◎
19 Acer mono Maxim. (A. m. Maxim. cf trichobasis Nakai) イタヤカエデ(イトマキカエデ) 趐翼 ◎○ (※ 葉と翼果?)
20 Tilia japonica (Miq.) Simonkai シナノキ 葉, 小苞 ◎○
21 Diospyros sp. カキ属 葉 ○
22 Zelkova cf serrata Makino ケヤキ 葉 ○

●多産 10個以上  ◎普通 5~6個  ○少ない 1~2個


南雲保・田中宏之「長野県真田町東部に分布する更新世湖沼性堆積物中の珪藻」(2001)
http://doi.org/10.14983/00000543

2020年8月17日月曜日

自由研究と疑似科学

魚の化石(部分)
魚の化石(部分)

山から少し泥岩を運んで化石採集体験をしました。写真はたぶん魚の頭骨の一部。謎解きの手掛かりは各骨の形と細部の形・模様ですが、解けないことがほとんどで、楽しむレベルにはまだまだ及ばず…
タイ科の頭骨についてはすごい資料があります。
https://osakanabanashi.seesaa.net/article/465702968.html


今年は自由研究の作品展は無しでしょうか。学生科学賞はWeb開催(地方審査)の話があるようですが、どうなるでしょう…
https://event.yomiuri.co.jp/jssa/contact

※追記: 公開されました。
令和2年度(第64回)長野県学生科学賞作品展覧会
https://kagakusakuhinten.sakura.ne.jp/

あやしげな話を2つ教えて頂きました。
化石の定義が「人類が誕生する前に生きていた生物」(の痕跡)との話を聞いたとか。(「有史前」等の誤解? それとも教義関係…)
「水からの伝言」を今も市内の小学校で教えているとか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/水からの伝言
「水からの伝言」を信じないでください
https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/fs/
水は答えを知っている
若杉亮平「図書館における疑似科学的資料の扱いについて」『北陸学院大学・北陸学院大学短期大学部研究紀要 第7号』(2014)
http://id.nii.ac.jp/1273/00000237/

自由研究の作品展示(2019)
https://kengaku2.blogspot.com/2019/09/blog-post.html