2026年4月28日火曜日

黒色頁岩(ブラック・シェール)

別所層の黒色頁岩
別所層の黒色頁岩

上田市にも分布する別所層は主に黒い泥岩の地層で、この泥岩は黒色頁岩(Black shale)とも呼ばれます。
フォッサマグナの深海底に堆積したもので、自分にとっては魚や貝などの化石が見つかる石という理解でしたが…
シェールオイル、シェールガス、オイルサンド等の言葉を聞くようになって、石油と黒色頁岩の関係について聞かれることがありました。

調べてみると、黒色頁岩は石油分の根源岩(ソースロック)であり、貯留岩(リザーバーロック)でもあるようです。石油分を含んでいて抽出は可能ですが、採算が取れるケースは限定的。最近の技術でも、岩石から分離している油分が豊富で抽出が可能で、原油価格が高ければ、やっと採算が取れるというような状況。環境への負荷も小さくない…

戦時中は中国大陸で採掘をしたそうです。この辺では褐炭等の試掘・採掘や松根油の話はありますが、頁岩の乾留のようなことを試していたかどうかはわかりません…

石油の抽出は難しくても、各地の黒色頁岩や貯留岩の油分について実験で調べて比較できたら面白いかも… 勉強不足でわかりませんが…

(ただし、別所層は化石産出層なので、産地情報の扱いには注意が必要。魅力的な情報発信が、集中による破壊・荒廃に繋がることも…)

夏休みの化石採集(7)
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/34695517


今年のお花見…
沙汰無くも一人咲きけり山桜
虫追うて蛙や花に這い上がり
花の間に見え隠れせり笑い面
楽絶えて星夜に花の残りけり
折々の花読みなれや茶飲み客


2026年3月30日月曜日

ペーパークラフトの改良(改)

柱状節理のペーパークラフト
柱状節理のペーパークラフト(改)

柱状節理のペーパーモデルは、その後、ケースをマッチ箱型に戻して、内箱側面の上半分を切り取ってみました。柱を箱に入れたまま動かすことができて、持ち運びも特に問題ありません。箱の強度は低下しますが、石の標本のように重さで歪むようなことはなく、問題なし。
ただ、内箱の出し入れの際に、中の柱の頭が外箱に接触しました。内箱が傾きと歪みのために浮くようで、内箱側面がそれを防いでいたわけです。側面の上部を少し残すか、歪みを減らすか、箱と柱の高さの差を増やすか。歪みを抑制するのは難しいので、高さの余裕を大きくすることになりそう…(作りやすく、多少歪んでも機能に問題がないことが目標)

ペーパークラフトの改良
https://kengaku2.blogspot.com/2025/12/blog-post.html


2026年2月28日土曜日

一つ火と上田郷友会月報

山口鬼火實撿ノ顛末(明治19年)
山口鬼火實撿ノ顛末(明治19年)


明治19年(1886)11月『上田郷友会月報』「山口鬼火實撿ノ顛末」は、勝俣英吉郎(1865-1930)が学生時代、友人から鬼火の伝承について聞かれ、「彼ノ中小ノ學、嘖々タル其名ト唯ニ校舎ノ壮觀ニヨリテ之レヲ得タルカ」と煽られて、夏休みに観察した、というレポートです。
結果は人家の灯火で、感想は「要スルニ余カ今囘ノ成績ハ大ニ自他意想ノ外ニ出テタルヲ驚カズンバアラス今ヤ理化ノ學何ノ處ニカ用ヰン嗚呼三日ノ試驗皆是古人ノ輕々ニ行ヒ得可カリシモノナラントハ書キ終リテ浩嘆之レヲ久フス」

この件が人々に記憶されて、「上田地方には、山口の一つ火を、「迷信と宗教」(井上圓了博士)のいふやうに、狐狸の所為と思つてゐるものは一人もない」(藤沢衛彦編『日本伝説叢書 信濃の巻』大正6 1917)と言われたのかも…

こういう話を伝承することにも意味はあるのではないでしょうか。


『上田郷友会月報 明治19年11月』(1886)
○論説
 山口鬼火實撿ノ顛末 勝俣英吉郎述
去歳客アリ問フテ曰ク聞ク子カ郷ニ鬼火ナルモノアリト果シテ之
レアルヤ否曰ク有リ曰ク鬼火ノ竒怪ナル之レヲ傳フル久シ郷人既
ニ之レヲ實見セルモノアリヤ曰ク竒説百出シテ未タ實見ノ説アラ
ズ曰ク子カ郷ハ文化盛ニ行ハレテ教育日ニ舉リ夙ニ中學ノ設ケア
リ學士又林ヲナセリト聞ク然ルニ獨リ此ノ鬼火ノ事ニ至リテ未マ
ダ實見ノ説ナキハ何ゾヤ曰ク然リ、然レトモ人各其職アリ焦眉ノ急
ニアラスシテ手ヲ餘事ニ下タスモノ稀レナルハ世情ノ常ナリ何ソ
獨リ我ガ郷先生ノミノ咎ナランヤ曰ク然ラハ子ハ京ニ在ル數年、
理化ノ學、之レヲ學バストナス能ハズ然ルニ子ニシテ之レヲ實見
スルノ勇ナキハ何ゾヤ曰ク余モ亦此ノ研究ニ志ス年アリ而シテ未タ
之レヲ果タスノ機會ナカリシノミ曰ク鳴呼々々子何爲レソ此言ア
ルヤ今ヤ理學ノ研究漸ク深逺ニシテ宇宙洪漢ノ間ニ其力ヲ逞フセ
リ之レヲ以テ後進ノ學者、自已ガ研究ノ餘地ナキニ困シミ幾萬里
ノ波濤ヲ越ヘテ辛酸ヲ異郷ノ深山幽谷ニ甞メ貴重ノ生命ヲ以テ理
學ノ犠牲トナスニ非ラスヤ然ルニ郊外里許ヲ出テザルノ地ニ數百
年来疑惑ノ解ケザルモノアルヲ知リ看々之レガ實見ニ躊躇スル、
何ゾ夫レ無勇ノ甚シキヤ子ハ漫ニ罪ヲ機會ナキニ移シテ恬乎タリ
余レ其評スペキ言ヲ知ラス將タ又理化ノ脩學甚タ淺薄ニシテ之レ
ガ研究ニ堪へザルニ由ルカ然ラハ彼ノ中小ノ學、嘖々タル其名ト
唯ニ校舎ノ壮觀ニヨリテ之レヲ得タルカ余ハ稍之レヲ疑ハサルヲ
得ズト、余遂ニ一言ナシ、今玆八月暑季休暇ニ際シテ郷ニ歸リ乃ハ
チ之レヲ實撿シテ左ノ成績ヲ得タリ由テ序スルニ客言ヲ以テス然
レトモ余ハ更ニ客ニ之レヲ示見スルヲ憚カラサルヲ得サルモノアリ
何ゾヤ他ナシ其成績ノ甚タ意外ニシテ先輩ノ意見ニ反スレパナリ
否我ガ數百年来ノ暗愚ト無稽トヲ曝露セサルベカラザレバナリ
   明治十九年八月    稿者識ス
(以下略)

2026年1月30日金曜日

厩山、魔山

天正六年二月上諏訪造宮帳より
魔山郷(左から3行目。茅野市「守矢史料館企画展の史料について」より)

干支に因んだ話題… 塩田の前山は中世に小規模な牧場があって、厩山(まいやま)と呼ばれていたのが、後に前山と書かれるようになったのではないか、という仮説です。
平安時代、手塚氏か塩田氏が経営していて、木曽義仲と共に滅亡、生き残った人達も離散して牧場は消滅…
南は山、北と西は川があるので、主に東側に柵や施設を設置していたのではないか…
厩山の表記は長く残って、「天正六年二月 上諏訪造宮帳」(1578)に「三御柱 小縣郡 塩田拾二郷 ~ 魔山郷」とあるのは、「厩山」を誤読・誤写したのではないか…

信濃史料 巻十四(3)
https://adeac.jp/npmh/catalog/mp000014
https://adeac.jp/npmh/viewer/mp000014/1403/?pagecode=75

茅野市八ヶ岳総合博物館 アーカイブ
守矢史料館企画展の史料について
https://www.city.chino.lg.jp/site/y-hakubutsukan-archive/kiyo-jinbunrekishi.html


2025年12月31日水曜日

ペーパークラフトの改良

柱状節理のペーパークラフト
柱状節理のペーパークラフト

以前作った柱状節理のペーパーモデルを改良してみました。と言っても、ケースをマッチ箱型から蓋付きに変えただけですが。これまでは、ケースから出して、遊んで、ケースに入れる、という使い方でしたが、蓋付きケースなら、蓋の方で並べて、戻すときはそのまま下のケースを被せるだけでいいので簡単、ということを急に思い付きました。
作ってみると、確かに簡単になって良い感じ。
ところが、ケースを片付けようと持ち上げたとき、蓋だけ持ってしまい、下のケースを倒して中身をこぼしてしまいました。マッチ箱型では起きなかったことで、この扱いにくさは大きなマイナス。
もう少し考えてみます。


光さす雪の郡の煙かな
年神の魚も見るや冬銀河
泣き叫ぶ子等にも年は改まり

ほろ酔いて福神過ぐる宿の門
古家にて屠蘇を勧むる声聞けり
初業の鬼や神仏食らいおり