2020年11月6日金曜日

ウチムラマユイガイダマシ

ウチムラマユイガイダマシ(信濃中部地質誌)
ウチムラマユイガイダマシ(信濃中部地質誌 化石貝類圖版第十三 より)

中信層群分布圖(信濃中部地質誌)
中信層群分布圖(信濃中部地質誌 104頁)


先日、ウチムラマユイガイダマシは内村層で産出しているか? という話題があって、資料を見ると別所層が多いようでした。『信濃中部地質誌』(昭和6 1931)では内村層最上部(内村層と別所層の間)としていました。産出地は西内村と錦部村赤怒田。(「第二篇 信濃中部の地質 第七章 中信層群」101頁~。分布図の中央左上の X X が西内村、その西方の X X の右側が赤怒田。「第四篇 特殊研究 第一部 化石貝類」の黒田徳米の記事には層序や年代の記述はありません。) 境界付近で諸説あるのかも。その層より下部でも見つかっているかどうかは、わかりませんでした。

ちなみに、Adulomya uchimuraensis は「内村地域のマユイガイダマシ」。
特徴的な岩石から見つかる示準化石・示相化石で、この地域の代表的な化石の一つではないかと。

ウェブで検索すると(マの抜けた)ウチムラユイガイダマシもあって、誤りのソースは Wikipedia 「松本盆地」、その元は「長野県の地学」のウェブサイトでしょうか。

1998年にそれまでの標本の一部は(一度)別種に分類された?(和名は ウチムラマユイガイダマシ、ウチムラシロウリガイ、クロダウチムラシロウリガイ?) 今後も化石資料が増えればまた再定義がされるのかも。
Adulomya uchimuraensis Kuroda, 1931
Calyptogena (Adulomya) uchimuraensis Kuroda. Kanno & Tanaka in Kanno et al., 1998
Calyptogena (Adulomya) uchimuraensis kurodai Kanno & Tanaka in Kanno et al., 1998

Fossil Adulomya (Vesicomyidae, Bivalvia) from Japan (2011)
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201302290159105361
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Fossil Vesicomyid Bivalves from the North Pacific Region (2007)
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201302202146723167
Googleで検索

天野和孝「化学合成二枚貝の化石記録と進化」(2014)
https://doi.org/10.14825/kaseki.96.0_5
「名誉会員菅野三郎先生を悼む」(2008)
https://doi.org/10.14825/kaseki.84.0_109

シロウリガイ
https://kengaku2.blogspot.com/2020/01/blog-post_9.html
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/34988277
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/35541306


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