2019年10月19日土曜日

化石の日、県の石

魚鱗化石(「別所累層産魚鱗化石について」より)
魚のウロコの化石(「別所累層産魚鱗化石について」図版Ⅱ-9 より)

「国際化石の日」が10月第2週の土日で、日本古生物学会の「化石の日」が10月15日とのこと。その日限定というわけではなく、各地のイベント情報のまとめをして頂けるのはありがたいことです。
日本古生物学会 化石の日
http://www.palaeo-soc-japan.jp/fossilday/

写真は「別所累層産魚鱗化石について」(地球科学 第82号 1966)にある魚鱗化石(図版Ⅱ-9)の一部です。大きさはニシン科より少し小さい程度。資料ではタラ科とされていますが、確認したことはありません。どの種類?
このタイプの化石をルーペで見たとき、隆起線がとてもきれいで感動しました。それから小さな化石を見るのが楽しくなりました。(視力が落ちて、楽しいことばかりではありませんでしたが…)

どんな化石でも、岩石・鉱物、生物等でも、(どこかの誰かの評価ではなく)自分自身の体験・感動・好奇心を大切にして、また、他の人の体験も相互に大切にできればと思います。(違法行為、迷惑行為はもちろん不可)

例えば、県の石の一覧には「郷土の石/思い出の石」の空欄を追加して、それぞれに思い入れのある石を書き込んでもらうようにするのはどうでしょうか。選定の目的をより理解してもらえるのではないかと。
日本地質学会 県の石リスト
http://www.geosociety.jp/name/content0144.html


教育・文化週間の行事一覧が出ていました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/kyoiku-bunka/

即位礼正殿の儀に伴う博物館・美術館等の無料公開について(上田市)
http://www.city.ueda.nagano.jp/gyokaku/79.html

11月10日(日)にアケボノゾウ化石のワークショップ(クリーニング体験等)があるそうです。
市報とうみお知らせ版 2019年10月16日号 5頁
https://www.city.tomi.nagano.jp/category/sihou/

2019年10月14日月曜日

別所線の鉄橋

別所線鉄橋 上流側の堤防崩落(13日昼)
別所線鉄橋 上流側の堤防崩落(13日昼 UCVより)

別所線鉄橋 下流側の堤防崩落(13日朝)
別所線鉄橋 下流側の堤防崩落(13日朝 UCVより)

別所線鉄橋 下流側の堤防崩落(14日)
別所線鉄橋 下流側の堤防崩落(14日 UCVより)

長野県北信交通明細図(昭和6 1931)より
長野県北信交通明細図(昭和6 1931)より

台風19号で別所線の鉄橋が一部崩落した様子をテレビやライブカメラ等で見ました。橋台の底部周辺が崩れて、倒れてしまったのでしょうか。
堤防の下の水面の近くに大きな石がたくさん見えていたのは、以前の堤防か、あるいは古い時代の河床か。水が下がってくると石の層の下に平坦な黒っぽい砂か泥の層があるように見えて、これは湖成層でしょうか。どの程度削られているか映像からはよくわからず。(堤防の下に崩れやすい地層があってそこを水が削った?)
橋が架けられるのは両岸が近い所も多くて、ここも堤防間が狭まる場所です。
昔の地図を見ると、鉄橋の左岸下流側には千曲川からの堰の取水口があったようです。

UCVライブカメラ、レポート
http://live.ueda.ne.jp/
http://www.ucv.co.jp/program/report.html

台風19号に伴う別所線の被害状況について 上田電鉄株式会社
https://www.uedadentetsu.com/news/19.html

長野県北信交通明細図(昭和6 1931)
https://museum.umic.jp/ezukochizu/kingendai/view/kingendai09.html

千曲川流域で特に大雨・洪水になった点は戌の満水と同様。
もしも台風の前後に雨が降っていたら、川の水量はさらに増えて、土砂崩れも多く発生していたかも… また、もしも地震と大雨が続いて起きたら、とか、いろいろ想定して、経験にして行くことが大切でしょうか。

2019年10月12日土曜日

手塚八幡社 鬼板と寄進状

木造鬼板(手塚八幡社)
木造鬼板(手塚八幡社)

寄進状(手塚八幡社)
寄進状(手塚八幡社)

戦勝願文(手塚八幡社)
戦勝願文(手塚八幡社)

寄進状(手塚八幡社)
寄進状(手塚八幡社)

とっこ館で「手塚八幡社収蔵品展」を開催していました。29日までとのこと。
写真は木造鬼板(おにいた)と寄進状3通です。
(鬼板と聞いて褐鉄鉱を先に思い浮かべてしまうのが石好き… ちなみに、Wikipedia の説明文が「鬼面のないものをいう」になっていましたが、他の辞書では「鬼面のないものもいう」「鬼面がなくてもいう」等です。)

木彫八幡社鬼板(市指定文化財)
http://db.umic.ueda.nagano.jp/johogura/datadisp.php?arg_sano=668053

『上田市誌 文化財編 上田市の文化財』(1999) 100頁より引用
木造鬼板(手塚八幡社)(中略)鬼板は、桂材を用いた一本造で、阿形は面長二四・七cm、面幅一七・〇cm、面厚七・八cm。吽形は面長二四・三cm、面幅一六・六cm、面厚八・〇cmで、ほぼ同じ大きさにつくられている(中略)ただし鬼板の角(つの)は別材で彫成し、面部の枘穴(ほぞあな)に差し込む手法をとっていますが、すでに両面ともその角は失われています。
(中略)鬼板は素人づくりらしく、その彫技は手なれたものとはいえませんが、専門の彫り師が刻んだものとは異なり、全体に素朴さがにじみ出ており、本気で刻んだ作者の温もりが感じられます。製作年代は、その表現様式から室町時代後期と推定されます。


好みが分かれるかもしれませんが、とても良い表情の面だと思いました。
製作年代は、素人づくりとすれば、手本からの写しの可能性が高いので、室町時代後期以降ということになるのでしょうか。

鉱物標本は片付けられていて、代わりに寄進状3通(紙片5枚)が展示されていました。
以前『手塚誌』(2013)で見たことがあるものですが、これらはすべて同じ筆跡に見えます。(「文」「年」等)
紙も、変色して茶色のものと白っぽいものの2種かもしれません。変色の状態も似ています。何かの理由で、覚書などから起こして作成したものという可能性もあるかも。(各寄進状の四隅には画鋲の針の穴?があり、どこかに掲示して利用していた可能性も。) 文字間隔や字体は明治後半から昭和のような雰囲気… 素人の当て推量ですが。(同定可?)
「社領九百十文」は宝永差出帳(宝永3 1706)の「八幡宮 末社拝殿有 神領九百拾文」と同じ数字です。「社領五百九十文」についてはわかりません。

宝永差出帳(上田藩村明細帳)(宝永3 1706)
https://museum.umic.jp/hakubutsukan/syuzouhin/small/small_k104.html
真田信幸寄進状(国重要文化財)
https://museum.umic.jp/ikushima/kishomon/92-sanada-nobuyuki-kishinjyo.html

他に、地元の土の焼物の展示、大行満 願海の幟旗の展示などがありました。
(150年前の布を屋内でも1か月近く展示するのは保存上は大丈夫なのでしょうか…)
とっこ館
http://www.shiodanosato.jp/
「塩田の土とやきもの」展(2012年)
http://shinshu.fm/MHz/22.56/archives/0000389978.html
以前の願海の幟旗の記事
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/35825551

自然関係の標本展示はまた復活・充実してほしいですが、どうなるでしょう…

今週末は火のアートフェスティバルです。ただし、パンフレットに北御牧郷土資料館がないので、開館は無いのかもしれません。(台風の影響でフェスティバル自体がどうなるかわかりませんが。 ※追記:中止になったようです。)

19日(土)午後に、アケボノゾウ化石 ワークショップがあるそうです。
市報とうみ 2019年10月号 18頁
https://www.city.tomi.nagano.jp/category/sihou/146554.html