2021年3月9日火曜日

頁岩の化石クリーニング

側線鱗
ハダカイワシ科の側線鱗?

二枚貝?
二枚貝の一部分?

UCVのナゾときチャン!!で一昨年発見されたクジラ化石の続報をしていました。昨年9月の様子が上田市行政チャンネルの動画にありましたが、今回は撮影も不可で、もしかして難航しているのでしょうか…

別所層の黒色頁岩は割れるようにしか割れず、化石クリーニングは、ほとんど何もしなくても良いか、非常に困難か、両極端のことが多いような気がします。叩けば崩壊、削っても化石との境界が見えない… (なので非破壊のデジタル採集ができるなら、その方が情報量は多いかも)

この付近の化石は戸隠地質化石博物館にも多く収蔵されているそうです。化石の種類や劣化の程度等の概要はわかるのではないかと。(『戸隠地質化石博物館 化石資料目録 1』(2014))

ところで、動画で、水に濡れた頁岩を叩いて割っていましたが、知る限りでは、ありえない方法です。崩壊することがあり、粉々になれば復元は困難。(プリオシン海岸の大学士に怒られます…)
魚の頭骨等、採集後の状態はどうでしょうか?

川原の転石(化石の露出のないもの)は石の上などで乾かして(地面では乾きません)、必要なら接着剤等で補強してから力を加減して割ります。強く叩くと、化石が壊れたり、都合良く割れても後になってひび割れ・剥離したり。
化石を採集しているのか壊しているのか、わからなくなることも…

あまり話題にされませんが、小さな化石の研究もあります。(石灰質ノジュール等の放散虫)
田邊勝彦・本山功・川村好毅・澤田大毅・柳沢幸夫「長野県上田市太郎山周辺の中新統の地質と放散虫化石層序」(2016)
https://staff.aist.go.jp/y.yanagisawa/
本山功「日本における過去20年間の新第三系放散虫化石層序学の進展」(2019)
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/bullgsj/70/1-2/_contents/-char/ja

ちいきたんけん ナゾときチャン!!  「上田にクジラ!?」のナゾ
https://ucv.co.jp/program/cat_prg/regular/nazo/
上田市行政チャンネル のびのび川遊び体験教室「浦野川で遊ぼう学ぼう!」(2020年9月開催)
https://www.youtube.com/channel/UCQUofwdBg7SAspK-jGOIDSw/videos
育成会便り(No.51) 令和2年11月30日発行
https://www.city.ueda.nagano.jp/soshiki/shogaku/3853.html

「所さんの目がテン! 東京化石探し」の動画配信を見ました。建物の石灰岩の壁のアンモナイトなど。大きな写真がたくさんあって面白かったです。(ウミユリ、サンゴ、べレムナイト、厚歯二枚貝、海綿動物、巣穴化石)
基本的には川で無許可の掘削は違法では?(川岸を掘り起こすシーンは大丈夫?) 集中・累積しない、わずかで軽微な行為なら問題にされないかもしれませんが。(個々の採集はわずかでも大勢で繰り返したら、土地の形状を変更する行為になってしまいます。情報発信にも責任はともなうかと。)
化石採集体験で「露頭・地層を掘ったり叩いたりするのはダメ」と言うと、つまらなそうな顔をしたり、無視して勝手に叩いたり… 気持ちはわかりますが、砂遊びではないので。処罰や立入禁止などの結果も。

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